集団になると人は考えることをサボる

「社会的手抜き(リンゲルマン効果)」というのがある。これは簡単に言えば、人間が集団になって何らかの作業を行うと手を抜く人が現れ、一人で作業するよりも一人当たりの効率は低下する現象のことだ。

「社会的手抜き(リンゲルマン効果)」は、実証実験では「綱引き」などで効果が確認されていて、「考えること」について実験されたことはないのだけれど、個人的には人間は集団になると「考えること」すらサボるのではないかと思っている。

例えば集団で新規事業の企画を考えることや、お昼を一緒にどこで食べるかを決めること、日本の政治はこれからどうすれば良くなるかを考えることなどは、その場にいる全員が全員で本気で考えているわけではない。

なぜこれらをみんな自分の頭で考えないかというと、これらのことについていちいち全員が自分の頭で考えていたら、逆に社会として非効率になるからだ。そして、人は「考える」というエネルギーを使う代わりに「信頼できそうな人に任せる」「信用できそうな人に任せる」という行為をして、「考える」エネルギーを節約するのだ。

そして「普通の人生を送ることを目的とすること」「こうあるべきだと世の中で言われている生き方をすることを目的とすること」も、人生について考えることをサボった結果として、無条件にこれらの生き方をしようとしてしまうのではないかと思う。

つまり、世の中の多数派は人生についてあまり考えないのではないか。

「最上の思考は孤独のうちになされ、最低の思考は騒ぎのうちになされる」というトーマス・エジソンの言葉があるように、人間は孤独にならないと本当の意味で自分で考える事ができない。そして今の時代に、本当に孤独になることは難しい。学校や会社で人と出会うし、一人の時もSNSで人と繋がるからだ。

だから例えば心の病気にかかって、SNSをする元気も無いというような療養期間などでしか人間は孤独になれないのではないか。自分の頭で考える機会がないのではないか。

心の病にかかった事があるあなたは、自分の頭で自分の人生について考えた事がある珍しい人。